西川羽毛工場 体験レポ

こんにちは。

朝晩冷え込んできましたね。布団屋としてはこれからが繁忙期に入ります。

そして羽毛ふとんがようやく売れ始めましたが、そもそも羽毛布団ってどうやって作られているかご存じですか?

弊社のスタッフはほぼ工場見学は終えていましたが、私は機会を逃し、実際に見学したことがなかったのでお客様にお届けする大切な羽毛をこの目でしっかりみてこようじゃないかというとで、西川の羽毛を作っている『西川レベックス株式会社』にいってきましたーーーー!

こちらこそよろしくお願いします!

ごあいさつと本日の一通り流れを聞いて、いざ、見学へ。

次は今日、ご案内してくださる添野さんにバトンタッチ。

まずは、太陽光パネルへと。

西川株式会社は今、近年高まるSDGzの観点から太陽光パネルで電気をまかなっています。

ちょうど今、建設途中でしたが蓄電池の設備も整え、今後は全電気を自社でまかなえるようになるとのことでした。

 


(もっとたくさんあるんです。。撮影場所の関係で反対側からしかとれなかった泣)

いよいよ工場の見学です。

西川では洗浄する「水」にとてもこだわってます。

こちらでは土地柄とてもきれいな天然の地下水を使って羽毛を洗浄していますが

その天然水をさらにきれいにする機械です。

 

さらにさらにすごいのが

細かい泡で羽毛の奥の奥のほうの汚れまで洗浄する機械がありました。

ただのバブルでもなく、ファインバブルでもなく

「ウルトラファインバブル!」

なんかすごい。。。

めっちゃこだわるやん。

1ミリに10億個の泡があるらしい。

添野さん「ここまで水にこだわるメーカーはなかなかいないと思います!」

そうだと思います!

では、本丸の羽毛工場をみせていただきましょう。

ダウンはこのように梱包されてきます。送られてくるときはなるべく小さくしたいので、羽毛が縮まった状態です。このダウンがどのようにしてきれいな羽毛に変化していくのか。羽毛の長旅がいよいよはじまります。

袋からだした羽毛はまず原毛投入機にいれて、付着しているごみを取り除きます。

その後、羽毛を洗浄します。洗剤を使うのは一度だけです。一度だけでいい理由は油分を抜けきらせないためです。油分でコーティングされていることで絡み合うことなく、長い間ふっくらと空気層を維持することで高い保温力を出しています。 それを洗濯洗剤で洗いすぎてしまうと油分が剥がれてしまうので、ダマになってしまい保温力がなくなってしまいます。

洗剤を少なくするかわりの秘策が先ほどの「ウルトラファインバブル」のお水です。

(いよっ、でました!)

ウルトラファインバブルのお水は浸透スピードが速いので、ダウンの奥まで入り込んで洗浄効果を高めてくれます。

実験してくれました。

おーーーー、ウルトラファインバブルのお水の方が早く沈んだ。

 

ところでみなさん、羽毛の洗浄度を気にしたことがありますか?

ほとんどの方はダウンパワーやダウン率などを気にされると思いますが、この洗浄度、とっても重要です!

羽毛布団の清浄度とは、「羽毛がどれだけ綺麗に洗浄されているか」を表す、JIS規格で定められた数値のことです。

写真がへたでわかりにくいのですが、右から左に徐々に透明度が増していきます。

洗浄後の羽毛の汚れを溶かした水を透視度計に入れ、底の目印がどのくらいの深さまで見えるかを測ります。

清浄度において世界一厳しいとされる日本の品質規格において、JIS規格では清浄度500mm以上を求めています。西川ではその基準値の2倍以上の1000mmまたは1500mmの清潔な羽毛を使用しています。

洗浄が終わると、脱水、乾燥へと移ります。がんばれ羽毛。まだ、半分もいってないぞ。

乾燥された羽毛は選別機に(3チャンバー)かけます。

羽毛を3つの部屋に選別

大きなダウンを選別するために、羽毛選別機を使って、主に「ダウン」「スモールフェザー」「ラージフェザー」に選別し、不純物も落とします。

羽毛の選別は、風の力を利用する方法で行われます。大きくてふんわりとした良質のダウンはより遠くにとび、スモールフェザーやさらに重いラージフェザーになるほど手前に落ちていきます。

見事、遠くにとんだエリート君ははれて羽毛ふとんになれるのです。

※スモールフェザーはダウンと混合され、弾力性を発揮します。

でも、残りのフェザー君たちよ。落ち込まないで。君たちはダウンジャケットなど他に必要としてくれるところがたくさんあるんだよー!

ちなみに、選別機にはプラズマクラスターが設置してあり、静電気がおきにくくなっています。羽毛どおし、くっつくのを防ぎ、よりふんわりと。壁に付着して取りにくかった羽毛もプラズマクラスターを設置したことで、取れやすくなったとのことでした。

次に羽毛本来の力を引き出すフレッシュアップ加工

 

フレッシュアップ加工の工程

 

  • 加湿乾燥:100℃以上の高温スチーム処理を行うことで、ふっくら感と風合いを引き出します。
  • 冷却除塵:加湿冷却時の熱をさまし、大きく膨らんだ羽毛から不純物やファイバーを取り除きます。
  • 最終選別:さらに選別機に送り、より良質な羽毛だけを取り出します。

 

まだまだ続きますよ。

疲れたら一回みるのやすんでくださいね( ´∀` )

徐鉄機で金属片など4回目のごみ取りを行います。

原毛の工程はあと少し。

5回目のごみとり

この機械の中には壁があります。最後に風で舞い上がらせ、比重の軽いダウンは壁をとびこえ、やっと羽毛布団として使えることになります。

さっきのエリート君はなんだったのか。壁をのりこえることができたのかどうか。

まだ、壁があったのか。。。険しい道のり。

10kg羽毛が入った羽毛がはじめにありましたが、すべての工程を経ると8kgほどになるそうです。

添野さん「工場にはいって、今までになにか気付いたことないですか?」

(うーーーーん、なんだろう。)

添野さん「羽毛独特の臭いがあまりしないでしょう?」

た、たしかに!

言われるまで、鳥独特のあの臭いに気付かなかった!

それほど、きれいに洗浄されてるのか。感動!

次は検査室。

羽毛に関する8つの検査を行います。

その中で私にはできないと思った一つが

『組成混合率の検査』

ダウン率やその他羽毛の組成混合率をチェック

いやいやいや無理無理無理 (だれも老眼の私にはたのまないよ)

お疲れ様ですっ!

このエリートダウンたちを側生地に充填する建屋に移動します。

未発表の生地がたくさんあるので写真は基本NGだったのですが、充填する作業をとらせていただきました。

ずっとみてられる。

この作業は一マスに充填する量が決められており、マスとマスの隙間の穴を探すのも素人には無理だし、量を間違えるとたいへんなことになるし、それを簡単そうにこなしているお姉さんカッコイイ。

最後にすべての工程を経て出来上がった羽毛の検査。

 

 

針などがないかの検針機。

いやー、羽毛布団。長旅だったね。

やはり「百聞は一見に如かず」

実際に来て目で見て体験しないとわからないことがたくさんありました。

西川の羽毛は高いとおっしゃる方もいますが、高いのにはそれなりの理由があります。

私はこれだけの人と手間がかかっていたらむしろ高いなんていえなくなりました。

安くするには洗浄回数をカットすればいいし、ごみをとりのぞく工程なんて5回もいらない。

でも、そうすると臭いがきつかったり、ボリュームがなかったりします。

こらからはさらに自信をもって販売できることができます!

西川レベックス株式会社の皆様、西川株式会社の方、このような場を作ってくださり、ありがとうございました。

このレポに最後までお付き合いくださったみなさま、ありがとうございました。

西川株式会社の羽毛布団は安心・安全・高品質の羽毛ですよーーーーーー!

よかったら、ご来店、楽天・ヤフーでのご購入お待ちしております!