私は今まで多くの眠りの悩みを持つお客様にお会いしてきました。
そして様々な悩みの中、非常に多かったのが「枕が合っていない」だったのです。中には今まで5個6個買ってきたのに、すべてが失敗だったという方もいました。そして、話を聞くと多くの方が明確な基準を持っていないということがわかりました。枕は眠りの質に大きく関わる重要な寝具ですので、皆様により良い睡眠を獲得していただくために力添えしたく、枕の選び方についてお伝えさせていただきます。
『そもそも枕って・・・』
睡眠時に寝床(ベッド・敷ふとん)と首の間にできる隙間を埋め頭部・頸椎・気管などへの負担を減らす寝具です。・・・むずかしいな・・・
要は
『首の隙間を埋める』ための寝具です!
■仰向けでは頭と背中の隙間
■横向きでは頭と肩の隙間
では、どのような枕をえらびましょうか
■正しい姿勢の取れるもの
■心地の良いもの
当たり前やん,と思われた方、ちっちっち
当たり前のように感じますが、この前提を知ることが適切な寝具選びには重要なのです。
では、さっそく、今お使いの枕が適正かチェックしてみましょう!
□仰向けで寝たときに、顎が真正面より気持ち下がる高さになっていますか?
□横向きでは背骨から頭部までが直線になっていますか?
□寝返りが打ちやすいですか?
□通気性はいいですか?
□朝起きるた時、枕はずれていませんか?
□肩幅に対して、枕は小さくありませんか?
□朝起きたとき、肩・首こりはありませんか?
□いびきはかいていませんか?
□首と枕との間に隙間がありませんか?
□詰め物の摩擦音が不快ではないですか?
質問項目に対して、「はい」が多ければ多いほどいいです。
逆に「いいえ」の数が多いと、今、お使いの枕は適正ではないかもしれません。
さて、ここまでは枕の役割についてお伝えしてきました。ここからは具体的にどのような
種類と特徴があるかをお伝えしていきます。
|枕の種類
■高さの種類
高さが合うものをどう選ぶのかは、先に述べたとおりです。
基本的にはスタッフがいますので、「高さは大丈夫ですか?」と姿勢を見てもらっ
て合わせてもらいましょう。
しかし、ここで一つ注意すべき点があります。
それは店舗で枕をフィッティングする時のベッドと家のベッド(又は敷ふとん)は硬
さが違うということです。つまり、体の落ち込み具合が違うので首の隙間が違う。
この理由から店舗で合ったとしても自宅で必ず合うとは限らないのです。。。
ではどうするべきか。本当に枕が合わないことでお悩みの方は、ベッド(敷ふとん)
枕を同時にフィッティングして、一緒に購入する。それがベスト!なのです。
だってこの前、敷ふとん買ったばっかりだもん、という方はなるべくその硬さに近
いマットレスの上で枕を試すのが確実性があがります。
■形状の種類
現在の枕はメーカーの工夫により、様々な形状が存在しています。
一概にどの形状がいいというわけではなく、その形状による特徴と自分の重要視し
ている点を照らし合わせ選んでいきます。
【長方形】
最も一般的で選択肢が多く、比較的安価なことがメリット。特にデメリットはあり
ませんが、フィット感という点においては他の立体的な形状と比べ劣ります。
【ウェーブ型】
特に頸椎のサポート力が高く、首や肩への負担が少ないことがメリットです。
デメリットは睡眠中にずれてしまうと効果が薄れることです。
【盆地型】(真上から見て凹型)
適切な高さの確保に優れている点がメリット。「首の隙間は「横向きの隙間」>
仰向けの隙間」であるため、仰向けでは枕の中心の低い箇所を使い、横向きでは
枕の両サイドの高い箇所を使います。デメリットは睡眠中にずれてしまうと効果
が薄れることです。
【立体型】(オーダー)
幾つかに分けられたブロックごと調整できるので、自分に合う硬さや高さに仕上げられることがメリット。デメリットはオーダーのため高価なことです。
■素材の種類
【ダウン】
調温機能に優れ、柔らかく包み込まれるような心地良さを得られます。デメリットは埋まるように頭を支えるので寝返りが打ちづらいことです。
【ポリエステル綿】
ダウンに近い包み込むような心地を安価で得られます。
デメリットは吸湿発散性・耐久性が低いことです。
【高反発ウレタン】
適度な柔らかさがあり、高い反発力によって寝返りのサポートをしてくれます。デメリットではありませんが、ダウンや低反発ウレタンほどの包み込むはありません。
【低反発ウレタン】
じっくり柔らかく沈みむ独自の心地で、体圧分散に優れています。
デメリットは通気性が低いこと、反発力が低いため寝返りのサポート力が低いことです。
【そばがら】
通気性、吸湿発散性が高く古くから好まれてきた素材です。清涼感があり、頭部の熱を効率よく逃がしてくれます。ウレタンやダウンのような柔らかさはなく、デメリットは摩擦音がうるさいことと、長く湿気のある所にしまっておくと虫が発生することもあります。
【パイプ】
バリエーションが多く耐久性も高いです。また、洗えるため衛生的です。ウレタンやダウンのような柔らかさはなくデメリットは摩擦音がうるさいことです。
|耐久性について
素材によって異なるものの、2.3年が目安となります。5年以上使っているんなどの場合は、新品時の機能を満たしていない可能性が高いので交換を検討してもよろしいかと思います。
|メンテナンスについて
まず洗うのかですが、枕は頭髪や頭皮の皮脂によって特に汚れやすい寝具です。そのために雑菌やダニが発生しやすい環境であり、鼻や口など粘膜に近いことから清潔に保つ必要があります。
枕カバーは数枚揃え、毎日替えていただき、枕本体は洗える素材であれば夏は1.2週間に1回、冬は1か月に1回洗いましょう。洗えない素材は週に1回は干して日にあてましょう。
(なかなかむずかしいですが。。。あくまで理想です)
|タイプ別まとめ
ここまでで多くの枕が存在し、それぞれ特徴を持っていることがわかったかと思います。最後に、どのようなタイプの枕を選ぶと良いか、様々なタイプ別にお伝えしたいと思います。
男性
女性よりも肩幅があるため、横向きの際に隙間ができやすいです。
そのため、基本的には男性はある程度高さのある枕が理想です。
また、横幅も広いほうが寝返りをうった際に、安心感があります。
女性
男性よりも肩幅がない女性は、仰向け横向きともに隙間は少ないです。
そのため、基本的に若干低めの枕が理想です。
硬い寝床(ベッド・敷ふとん)の方
硬い寝床では体が沈み込まないので、隙間が大きくなります。
そのため、基本的にある程度の高さのある枕が理想となります。
肩こり首こりがひどい方
代謝を促すためになるべく肩・首への圧力を避けるべきです。
そのため、高さが合っているのは当然として、柔らかく寝返りしやすい枕が理想です。
アレルギー体質の方
吸湿発散性が低いと菌やダニが繁殖し、ハウスダストの増加へつながってしまします。そのため、ホコリがつきにくく防ダニ加工のものや洗えるなど、メンテナンスができる素材がおすすめです。
最後に
いかがでしたでしょうか。
枕には様々な種類があり、様々な特徴がありましたね。
しかしながら、選ぶ基準は大きく「正しい姿勢の取れるもの」「心地良いもの」この2点であり、あとはご自身が何を重視するかだけなのです。この整理さえしてしまえば決して枕選びも難しいものではありません。ぜひ、よい出会いをしていただき、良質な眠りをお過ごしください。